「3年前にアメリカに行ったことがあります」
現在完了形の授業の時に、この文を英語にしてください、と生徒の方に言うと、多くの方が現在完了形を使って「I have been to America three years ago」と答えます。正解はI went to America three years agoになるのですが、理由としてはシンプルで、「過去の一点を表す言葉(この場合は3年前)がある場合には現在完了形とは相性が合わない」というだけです。
この間違いを多くの人がする理由もよくわかります。これは高校や受験英語の時に、現在完了は「経験」「継続」「完了」だと刷り込まれているからです。「経験の話の時には完了形を使わないといけない」と多くの人が思い込んでしまっています。これは高校の教員の教え方の問題もあると思いますし、教科書の問題かもしれません。また現在完了形には冒頭で述べた通り「完了」という意味があるわけですが、
I finished my homework
と
I have finished my homework
の違いは何かと聞くとほとんどの人は答えられません。答えは「違いはほとんどない」です。過去形でも完了している意味は出るし、何かを経験したという意味も出せます。「経験」や「完了」の意味だから現在完了形を使わなければいけないということはないのです。完了形をいつ使うのか、過去形との違いは何か、という説明を学校では深くやっていないのだと思いますし、もっと言えばこの違いをはっきり説明できる高校教員も少ないように思います。
正直なところ、高校時代は、僕も現在完了形をよくわかっておらず、いつ使うのかもあやふやなまま留学し、現地で現在完了形の「リアル」を体験し、学校英語では教えられなかったことを理解したように思います。
いつも思うのですが、やはり高校教員は英語を話せなければいけないと思いますし、実際に使った経験から英語を教えられる人でないといけないと思います。僕の友達で一人だけそのような人がいますが、日本の大学に通って教職を取らなければいけないという無駄なハードルがあるせいで、日本の英語教育はこれからも英語力、教授力の高い教員は見込めないように思います。その結果、子供を塾に通わせなければいけなくなる・・・何か本末転倒な気もしますね。